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「ペットと暮らす」の壁をなくしたい──LIFULL HOME’Sが“ペット可条件”の多様化を本格導入

株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」は、ペットと人との共生を推進する社内有志プロジェクトの一環として、2025年4月より物件情報に新たなペット対応条件を追加したと5月12日に発表した。これにより、「大型犬」「猫」「多頭飼い」など、より細かく条件を絞って検索できるようになった。

このプロジェクトは、“ペットと人との住まいのハードルをなくす”という想いから、LIFULLの社員によって立ち上げられたもの。背景には、増え続けるペット飼育世帯と、依然として限られた「ペット可物件」との大きなギャップがある。

ペットの「家族化」が進む中で、住まいは依然ハードルに

2024年の国内における15歳以下の子どもの数は約1,383万人(※1)の一方で、同年における犬猫の飼育数は約1,595万頭(犬679.6万頭、猫915.5万頭)(※2)と大きく上回っている。にもかかわらず、「ペット可・相談可」の物件はまだ少なく、ペットと暮らしたい人々にとって選択肢は非常に限られているのが現状だ。

しかも、「小型犬はOKだが猫はNG」「多頭飼いは不可」といった細かな条件が物件ごとに異なるため、理想の住まい探しは困難を極める。その結果、住まいが見つからず、やむなくペットを手放すという悲しい選択を迫られるケースも後を絶たない。

こうした課題に向き合うため、社内横断の有志メンバーによるプロジェクトが発足し、実現に至ったのが今回の「ペット対応条件」の追加導入である。

条件追加で「探せない」を減らす

新たに追加された条件は、キーワード検索やタグ検索で利用可能。ユーザーは「大型犬」「猫」「多頭飼い」など自身の暮らしに合った条件で物件を探すことができ、検索体験が大幅に改善された。

▼タグ検索(賃貸のみ)

今後は、より多くの管理会社やオーナーがこの仕組みに参加できるよう、セミナーや情報発信も行っていく予定だ。

有志メンバーの想いと展望

プロジェクトの企画担当・長田英里さんは『「ペット可物件の不足」や「探しにくさ」といった課題を解消し、飼い主とペットが安心して理想の住まいを見つけられる社会の実現を目指して取り組んでいきたい』と語る。有志の活動が社内の共感と協力によって実現した今回の取り組みは、「大きな一歩」と位置付ける。

プロジェクトリーダーである大竹美沙子さんは、『保護猫と暮らす中で、ペット不可物件を理由に保健所へ持ち込まれる命があることを知りました』と話す。今後は、社内外への共感を広げ、オーナーや管理会社との連携も深めていきたいという。

LIFULLの企業理念「あらゆるLIFEを、FULLに。」を体現するこのプロジェクト。ペットとの暮らしを阻む壁を少しずつ壊していくその姿勢に、期待が集まっている。

※1:総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」
※2:一般社団法人ペットフード協会「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査」

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